映画『ぼけ日和』は実話なのか、モデルになった夫婦が実在するのか気になりますよね。結論からいうと、複数の認知症患者と家族の実例を土台にしながら、映画用に再構成された物語です。
原作は矢部太郎さんの『マンガ ぼけ日和』で、その原案は認知症専門医・長谷川嘉哉さんのエッセイ。特定の一組の夫婦をそのまま映画化した伝記ではありません。作品の成り立ちと鳥飼夫婦のモデルを順番に見ていきましょう。
映画『ぼけ日和』は実話?結論は「実例をもとにした再構成」
#映画ぼけ日和
2027年全国公開決定
⠀
❁長年を共にしている夫婦#大竹しのぶ × #三浦友和
⠀
❁ふたりを見守る主治医#櫻井翔
⠀
──今日も ぼけ日和 ですね⠀
巡る季節を穏やかに歩む、
夫婦の愛おしい日々 pic.twitter.com/X5koxvK3r3— 映画『ぼけ日和』公式 (@bokebiyori_eiga) July 27, 2026
映画『ぼけ日和』には、認知症専門医が実際に出会った患者や家族のエピソードが反映されています。そのため、現実と無関係な完全フィクションではありません。
一方で、映画に登場する鳥飼千晴・道夫夫婦の人生が、実在する一組の夫婦の歩みとすべて一致するわけでもありません。報道では、原作漫画に登場する老夫婦を再構成し、実在の患者の要素も加えたと説明されています。
つまり「実話ベース」という言葉は当てはまりますが、一組の実在夫婦を忠実に再現した作品ではない、というのがいちばん近い答えです。
原作は矢部太郎の『マンガ ぼけ日和』
新しい単行本『マンガ ぼけ日和』が2023年2月8日に発売になります。認知症の専門医である長谷川嘉哉先生の書かれた『ボケ日和』が原案で全編描き下ろしになります。このマンガを読んだ皆さんの未来への不安が、あたたかな日差しのような安心に変われば。そんな一冊になっていたら幸いです。 pic.twitter.com/5qkyu2U1ap
— 矢部太郎 (@tarouyabe) December 16, 2022
映画の原作は、お笑いコンビ「カラテカ」のメンバーで、芸人・漫画家として活動する矢部太郎さんが手がけたコミックエッセイ『マンガ ぼけ日和』です。2023年にかんき出版から刊行され、認知症の人と家族の日常を、やわらかな絵とユーモアを交えて描いています。
矢部さんは、初めて描いた漫画『大家さんと僕』が大ヒットし、第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞しました。お笑い芸人にとどまらず、漫画家としても高く評価されています。
物語では、認知症の進行を「春・夏・秋・冬」という四季になぞらえています。認知症をただ怖い病気として描くのではなく、変化する日々の中にも笑いや愛情があることを伝えている点が特徴です。
矢部さん自身の家族を描いた自伝漫画ではありません。矢部さんは、介護施設で働いていた母に仕事のことをあまり聞けなかったと振り返り、認知症をもっと知りたいという思いから漫画を描いたと明かしています。
原案者は認知症専門医の長谷川嘉哉
『マンガ ぼけ日和』の原案は、認知症専門医・長谷川嘉哉さんのエッセイ『ボケ日和 わが家に認知症がやって来た!どうする?どうなる?』です。長谷川さんの本は2021年に刊行され、矢部さんがイラストを担当しました。
長谷川さんは、認知症だった祖父を介護した経験をきっかけに認知症専門医を志した人物です。長年の診療で出会った多くの患者と家族のエピソードを通して、症状の変化や家族の向き合い方を伝えてきました。
そのエッセイを原案に、矢部さんが全編を描き下ろしたのが『マンガ ぼけ日和』。作者は矢部太郎さん、原案者は長谷川嘉哉さんという関係です。
モデルとなった鳥飼夫婦は誰?
映画では、大竹しのぶさんが認知症を患う妻・鳥飼千晴を、三浦友和さんが妻に寄り添う夫・鳥飼道夫を演じます。千晴は絵、道夫はカメラを趣味に持つ夫婦として描かれます。
鳥飼夫婦には、名前まで一致する特定のモデル夫婦がいるわけではありません。原作漫画の老夫婦を軸に、長谷川さんが接してきた実在患者の要素を重ね、映画の登場人物として再構成されています。
「モデルとなった夫婦」という紹介を目にすると、実在する鳥飼夫妻の物語だと思いがちです。しかし、鳥飼千晴と道夫という名前は内田英治監督が考案した映画オリジナルの設定です。
複数の現実を一組の夫婦に託しているからこそ、認知症と向き合う多くの家族が、自分たちの日々と重ねられる物語になっているのでしょう。
映画版は原作からどう作られた?
監督・脚本を務める内田英治さんは、矢部さんから原作を受け取り、自身の祖母が認知症だった記憶を重ねて映画化を企画しました。矢部さんも打ち合わせに参加し、脚本作りに加わっています。
映画は原作の医療的な知識や実話由来のエピソードを受け継ぎつつ、鳥飼夫婦の愛情を中心に一本の物語へまとめた作品です。長谷川さんは原案に加えて医療監修も担当しています。
認知症専門医・阿久津孝介を演じるのは櫻井翔さん。監督は内田英治さん、脚本は内田さんと池亀三太さんが担当し、東映配給で2027年に全国公開される予定です。
まとめ:『ぼけ日和』は複数の実話から生まれた物語
- 映画『ぼけ日和』は複数の患者と家族の実例が土台
- 特定の一組をそのまま描く伝記映画ではない
- 原作は矢部太郎さんの『マンガ ぼけ日和』
- 原案は長谷川嘉哉さんのエッセイ『ボケ日和』
- 鳥飼夫婦は原作と実在患者の要素を重ねた登場人物
- 鳥飼千晴・道夫という名前は映画オリジナル
映画『ぼけ日和』は、現実にあった数々のエピソードを一組の夫婦の物語として編み直した作品です。大竹しのぶさんと三浦友和さんが演じる鳥飼夫婦は、誰か一人の人生の再現ではなく、多くの患者と家族が過ごしてきた時間を映す存在といえます。
実例から生まれた温かなまなざしと、映画ならではの夫婦の物語。その両方を知っておくと、作品の笑いや切なさをより深く受け取れそうですね。



コメント