Netflixシリーズ『ガス人間』を見て、「ガス人間は円谷プロの作品なの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。タイトルや特撮表現から、ウルトラマンで知られる円谷プロを連想するのも自然ですよね。
結論からいうと、『ガス人間』は円谷プロ作品ではありません。原作にあたる1960年の映画『ガス人間第一号』は東宝が製作し、円谷英二さんは特技監督として参加しました。原作と円谷英二さん、東宝・円谷プロの関係を順番に解説します。
ガス人間は円谷プロ作品ではなく東宝作品
『ガス人間』のルーツは、1960年に公開された東宝の特撮映画『ガス人間第一号』です。本多猪四郎さんが監督、木村武さんが脚本、田中友幸さんが製作を担当しました。
一方、円谷プロダクションの設立日は1963年4月12日です。旧作の公開はそれより約3年前なので、制作時点では現在の円谷プロはまだ設立されていませんでした。
「円谷英二が特撮を担当した作品」と「円谷プロが製作した作品」は同じではありません。ここが混同されやすいポイントです。
Netflix版『ガス人間』の原作は映画『ガス人間第一号』
Netflixシリーズ『ガス人間』の原作として公式に示されているのは、東宝の映画『ガス人間第一号』です。漫画や小説を直接映像化した作品ではありません。
Netflix版は旧作をそのまま再現したリメイクではなく、現代を舞台にした全8話の完全オリジナルストーリーによるリブートです。旧作の基本発想を受け継ぎながら、新しい登場人物と事件を描いています。
なお、乾緑郎さんによる小説『ガス人間』も刊行されていますが、講談社はこの本をNetflixシリーズの小説版として案内しています。そのため、Netflix版の元になった原作小説という位置づけではありません。
円谷英二は『ガス人間第一号』で何を担当した?
円谷英二さんが旧作で担当したのは特技監督です。本編の監督は『ゴジラ』などでも知られる本多猪四郎さんで、円谷英二さんはガス化する人間を映像として成立させる特撮部分を率いました。
人の身体が気体へ変わり、狭い隙間を通り抜け、再び人の姿へ戻るという表現は、物語の中心を支える重要な見せ場です。怪獣を大きく見せるタイプの特撮とは異なり、特殊な体質になった人間の不気味さや悲しさを表現するために特撮が使われています。
円谷英二さんの名前が作品情報に大きく残っているため、「円谷プロ作品では?」という疑問につながったのでしょう。
東宝と円谷英二の関係から生まれた特撮映画
円谷英二さんは円谷プロを設立する以前から、東宝の映画で数多くの特撮を手掛けていました。本多猪四郎監督と組んだ1954年の『ゴジラ』も、その代表例です。
『ガス人間第一号』も、本多猪四郎監督が人物と物語を描き、円谷英二さんが特撮表現を担う体制で作られました。つまり、円谷英二さんとのつながりは深いものの、作品の所属としては東宝です。
東宝作品に円谷英二さんが特技監督として参加した――この関係を押さえると、円谷プロ作品と誤解されやすい理由が分かります。
現在のNetflix版も円谷プロではなく東宝が企画・製作
2026年配信のNetflix版についても、公式発表で企画・製作は東宝、制作プロダクションはTOHOスタジオとされています。共同企画・制作はWOWPOINT、配信はNetflixです。
監督は片山慎三さん、脚本はヨン・サンホさんとリュ・ヨンジェさんが担当。旧作の円谷英二さんにあたる特技監督の表記はなく、VFXは白組、VFXスーパーバイザーは髙橋正紀さんと新堀巧さんです。
Netflixには円谷プロと共同製作した別のウルトラマン作品もありますが、『ガス人間』の公式スタッフ情報に円谷プロの名前はありません。Netflix作品だから円谷プロと関係する、というわけでもないのですね。
まとめ:ガス人間は東宝作品で円谷英二が特撮を担当
- 『ガス人間』は円谷プロ作品ではない
- 原作は1960年公開の東宝映画『ガス人間第一号』
- 旧作の監督は本多猪四郎、脚本は木村武
- 円谷英二は旧作の特技監督を担当
- 旧作公開時は円谷プロ設立前だった
- Netflix版も企画・製作は東宝
- Netflix版は全8話のオリジナルストーリーによるリブート
『ガス人間』が円谷プロ作品だと思われやすいのは、旧作の特撮を円谷英二さんが担っているためです。ただし、製作会社はあくまで東宝。円谷英二さんが東宝の特技監督として参加し、独創的なガス化表現を支えた作品です。
Netflix版にも東宝特撮の系譜は受け継がれていますが、制作陣や物語は現代向けに新しく構成されています。原作との物語上の違いは、別のテーマとして見るとさらに作品を楽しめそうですね。


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